味方と思えば、味方になる

 

日常生活の時間の大部分を、会社=仕事で費やしている方は多いと思います。仕事をしている中で、悩みを抱えているお方は多いのではないでしょうか?今回はこんなお悩みを…。

A「どうしていつもあの人私のことを目の敵のように
口うるさく言うの…
言われなくてもわかってるし、そこまで言う必要有る?
何もわかってないくせして…。

ナレーション
Aさんは職場では、仕事をそれなりにこなしていて、
職場の方々からも評価が悪いわけでもないのですが、
どうも上司のBさんからは口うるさく言われています。
今日も…

B「頼んでいた用件はもう終わったんですか?

A「他の件もありますので、今進めているところです」

B「もうずいぶん前に頼んでいたのに、どうして終わらないの?
何をしているの!」

ナレーション
こんなことが日々重なり、
AさんはBさんと顔を合わせるのも嫌な日々。
仕事も全てにやる気が削がれ、
やめたい気持ちもちらほら…。

結局気持ちが続かず、退職に…。
実はこんな経験がAさん自身3度目…。

実際に今もこんな状態で悩んでいらっしゃる方も居るかと思います。こういった職場の悩みには、どういったアドバイスが出来るでしょうか?

●被害者 vs 加害者

ああ、まるで昔の私のことのようです・・・。私も職場の人間関係に悩んで、何度も転職を繰り返しました。

思えばあの頃の私も、「私は何も悪くないのに、どうしてあの人は私を目の敵にするの !?」と、いつも思っていました。そんな自分自身を振り返りつつ、Aさんのお話を見て行きましょう!

さて、AさんにとってのBさんという人は、どうやら “敵” になっているみたいです。なぜかというと、「~された」「~と言われた」という受け身のセリフが何度も出てくるからです。

ということは、Aさんは自分を “やられる側”、すなわち『被害者』と感じているんですね。ここで、Bさんの方に、本当にAさんを傷つけてやろう、という意図があったかどうか? というのは、分かりかねますが、少なくともAさんは自分が攻撃された!と、感じている、みたいです。

ここでひとつ、心のカラクリをご紹介しましょう。
それは【敵と思えば敵になる】です。

Q:例えば、ここに2人の人がいるとします。一方が先に『被害者役』を取ると・・・どうなるか?

A:答えは、残った1人が必然的に『加害者』になるんです。それはその人の意図には関わらず、です。

加害者にされた方は、当然嬉しくないですね。学芸会の劇の配役でもめていたら、皆がいい役を先に取ってしまって、いちばんイヤな悪役が回ってきたかのような。「えっ?それ、私ー?」って感じです。

被害者のAさんは、Bさんをすでに心の中で『私をいじめる悪役』として扱っていますから、Bさんが近づいてくると、心穏やかではいられません。「また何か言われる」「この人はいつも意地悪だ」と思い、ビクビク、オドオドします。そんな雰囲気は態度に滲み出るのですね。

仮に、Bさんにはまったくそんな気がなかったとしても、Aさんから滲み出る友好的でない雰囲気は、潜在意識で感じられます。それは、「なんか、感じ悪いなー」とか、「なんかムカつく…?」いう感じです。

ちょっとイメージしてみてください。あなたが後輩のひとりに何の気なしに近づいて行ったら、「ごめんなさい!ごめんなさい!いじめないでください!(泣)」と、相手にものすご~く怯えられたとしたら、どんな気持ちがしますか?

「え、何? 自分なんかした?」とびっくりしますね。

「はぁ !? いじめないで、って、どういうこと?」って、ちょっとムカッとくることもあると思います。

AさんとBさんの深層心理の中でも、こんなやりとりが起こっているみたいです。

実は、相手を敵扱いすると、本当に敵にもなってしまうんです…。だってね、自分を『敵扱い』する相手を、「かわいいな」とか「良い人だな」とは思いにくいのが人情ではないですか…。

これこそが【敵と思えば敵になる】ということなんです。

私も過去あらゆる場面で、職場の先輩や同僚を『敵』にしてきたな~、と今なら分かります(汗)。

でも、Aさんもどうか自分を責めないでくださいね。良いとか悪いとかではなく、なんらかの事情があって、Aさんは『自分は責められる存在だ』と、感じるクセ(劣等感・罪悪感・無価値観など)があるらしい、というだけです。私もそうだったんです。

●加害者役になりがちな人の胸の内

それから、Bさんという人のことも考えてみましょう。いつもイライラしていて、誰かに八つ当たりをしてしまう人・・・というのも、確かにいるものです。

そんなイライラタイプの人と、私やAさんのような『責められ感』を感じやすいイジイジタイプの人が組み合わさると、『お局様と私』のような関係が出来上がってしまいます。

でも、そもそもBさんって、どうしてそんなにイライラしているんでしょう?

例えばですよ。

あなたが仕事も上手くいってて、彼女ともラブラブ、おまけに高額宝くじが当たっちゃって・・・人生って最高!なんて時に、「さぁ、今日も後輩のXXをいじめてやろうかな!」って思いますか?

思いませんよね。後輩が大ポカしても、「ドンマイ、ドンマイ!」って多めに見られる気がしませんか?

人間って、自分がしあわせを感じているときに、他人を不幸に陥れようとは考えられない生き物なのだそうです。それでは、Bさんがいつもイライラして人に八つ当たりばかりする人だとして、はたしてBさんの人生ってすべて上手くいっていて、しあわせなのでしょうか?

はい。たぶん、そうではないんです。

ここで澤田さんが良い表現をしてくれました。「コップがいっぱいで溢れそうな状態ですかね」って。そうです。何らかの辛さ、寂しさなどがいっぱいだからこそ、些細なAさんのリアクションにも過剰に反応してしまい、コップの中身がだーっとこぼれてしまっている可能性があります。

Aさんに八つ当たりをして、コップの中身をいくらかこぼしたかもしれませんけれど、Bさんもそれで心晴れ晴れとはいきません。やっぱりコップの中には感情が詰まっているし、Aさんの傷つく姿を見て、Bさんもまた傷つきます(※)

※そんなふうには見えない!という意見もあると思いますが、心のカラクリとしてはそうらしい…と、受けとめてみてください。八つ当たりをしているBさんの顔を思い出してみてください。楽しそうに笑っていますか? いいえ、きっと苦虫をかみつぶしたような顔をしているはずです。その顔は、すべてがAさんに向けられているのではなく、Bさんの辛さの滲み出ている部分なのです。

そう、実はその人の人生のどこかの領域では、とても辛い部分があるのではないか・・・? ということが、想像出来るのです。

例えば、Bさんは夫婦仲に悩んでいてその日も出勤前に大げんか・・・。むしゃくしゃしながら出勤したところ、Aさんが通りかかったところ、「Aさん?先日の案件はどうなってるんですか?」なんて、いきなりトゲのある口調が出てしまったり・・・。

そして、あとはご想像のとおりです。Aさんは「(私が)責められた!(私に)イライラをぶつけた」と、感じ、Bさんも後味の悪さでますます不機嫌になり・・・。悪循環ですね。

このようなことは、職場だけでなく、学校でも、家庭の中でも起こっています。じゃあ、そのような関係を調和の方向へ向けるためには、どうしたらいいのでしょう?

●私の知らない相手の事情

それには『愛の目線』が必要です。AさんもBさんも、いじめっ子もいじめられっ子も、そうなっているのには必ず理由があるのです。

だってね、その人が生まれつき「自分は大人になったら、お局様になって部下をいびってやるんでちゅ!」って、思ってたわけじゃあないからです。(そんな赤ん坊がいたら、コワいです…)

なので、AさんはBさんに対して「イライラしているのは、何か私の知らないところで、悩みや問題を抱えているからなのかしら?」って、ちょっぴりやさしい目線で見てあげる。

BさんはAさんに対して「自分が責められた!って感じやすいのは、私には分からないけど、何か理由があるんだろうなー」って、ちょっぴりやさしい目線で見てあげる。

どちらか気付いた方が、先に自分の出すエネルギーを『非難』から『思いやり』に変えることが出来ると、今まで『非難』が循環していた関係性も、変わってきます。

大抵、人との関係性がそういう負のエネルギーで膠着してしまうと、「相手が変わらない限り、この状況は解決出来ない!」と思い込んでしまいます。すると相手が変わらない・いなくならないなら、 “自分が会社をやめるしかない” という答えになってしまうんですね。

でも、そこには『自分が先に変わる』という選択肢もあるんです。(ここでは非難を思いやりに変えること)それを試してみてからでも、辞めるのは遅くないはずです。

●今週の望のヒトコト

【味方と思えば、味方になる】

敵と思えば敵になる、その逆もまた真理なのです。「この人は敵じゃないんだ」と思ってみることが出来ると、「敵じゃない部分」が見えてきます。

あれ? じゃあ、そんなにコワい人じゃないのかな…? 案外やさしいところがあるのかな…。って、どんどん見えてきた時に、相手は『敵』じゃなくて『味方』になっているかもしれません。

どうぞ試してみてください。あなたを取り巻く世の中が、やさしくなりますよ!

今週もありがとうございました!